塩と梅

 いい塩梅、という言葉があります。梅を漬けるために塩を入れるのですが、
その塩の加減を言っているのでしょう。そこから、絶妙な加減の例えとして使われていますが、確かに料理で絶妙なおいしさを出している品は、塩加減が絶妙な感じがします。

 その一振りにその人のこれまでの経験と勘と想いがあると思いませんか。ちょっと足りないかも、でもこれ以上入れたら味がダメになってしまう、というポイントをその人の経験と勘で見極めているのです。
 これを神業と言わずして何と言うのでしょうか。きっとその味に辿り着くまでの、道半ばを想像すると、沢山の経験と苦みがあったのかな、そんな風に思ってしまいます。

 海水の塩分濃度は約4%だそうです。そして、その濃度から1%でも上がってしまうと、大半の海洋生物は死んでしまうそうです。そして、そんな細い細い生命維持濃度を何千年何万年とこの海は維持をしています。数年ではありません。地球が始まって以来保っているのです。太平洋は4%だけど、大西洋は夕方は特に5%になる、なんてことも無いんです。どんなマジックを使えばそうなるんでしょう。

 そして、そんな海の濃度と同じ濃度で私達の体も塩分が保たれています。つまり私達の体の中にも、海のエネルギーが満ちている訳で、その濃度を保つためにあらゆる器官が調整をしてくれています。

 私達の世界はあらゆる所で、絶妙な塩梅が保たれています。そして私達が何もしなくても、何かがそのバランスを保とうとしてくれています。だから何かを力ずくで覆そうとしなくていいのかもしれません。今ある事をあるがままに受け入れていく。塩加減を濃くも薄くもしない方法かな、と思いました。

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